第15回ピアノ発表会 総評
サブタイトル:「演奏前の準備は大丈夫? 」
第15回ピアノ発表会のプログラム&演奏(抜粋)はもこちらから。
ピアノを始めたばかりの小さい子から中高生、OBの高校生まで、今回も幅広い年齢の子が、普段の練習の成果を発表してくれました。
今回も色々な作曲家・時代の曲が並び、面白いプログラムになった分、思い出に残る発表会を開催することができたと思います。
ご来場くださったお客様より後日、プログラムはどのように選曲されているのですか?と尋ねられることがあります。いわゆる「発表会の定番曲」があまりない、といわれることもあります。
ステージで演奏する曲は、生徒の希望を聞いてみたり、個々の習得度を考えながら何曲か「こんな曲もあるのよ」と紹介して、その中から選んでいただくこともあります。
そして、出演者同士で同じ曲を演奏する(曲がかぶる)、ということは、たとえ出番が離れていても絶対にしないようにしています。また、何かの本番の準備を兼ねている場合を除き、前年にプログラムにあった曲も使わないようにしています。
毎回の発表会で出会う曲は、子供達1人1人にとって きっと特別な曲になるので、きちんと向き合って練習していくためにも、絶対に好きだと思えるものを選んでほしいな、といつも思っています。
音響スタッフの皆さんは、これまで当日にお渡ししていたもの一式(録音用CD、マイナスワンのオケ部分や、リハーサルの順番表など)をたまたま前日にお渡ししたところ、当日までに準備を完璧にしてくださっていて、当日朝からのリハーサルが大変スムーズにできました。
しっかりされていて、かつ先々気を配ってくださる女性のスタッフさん、ずっと心に残ると思います。
今回の思い出でもう一つ忘れられないこと。司会をアナウンサー志望で勉強中の方にお願いしましたが、なかなか狭き門だと就職活動のことを教えてくださいました。
本当にやりたいことを簡単に諦めなければ、遠回りがあってもたどり着ける日が来るかもしれないよ、と楽屋でお話しました。地方局からステップアップして、現在は第一線で製作に携わっているお友達の話や、一般企業も大学のお仕事も経験した私が今、ピアノを教える仕事を続けられている話など、実際のお話を色々と。
翌年になって、諦めずに受け続けて、放送局の内定をいただいたと連絡をいただきました(^_-)
とてもクオリティの高い司会をしていただいて、心よりアナウンスのお仕事をしてほしい方だと思っていましたので、ご連絡をいただいて本当に嬉しかったのです!
毎回の発表会で新しい出会いがあり、いつもお世話になっている方含め 沢山の方々にお力添えいただき、無事開催できていることを本当に感謝しております。
また日ごろ生徒たちを支えて下さっているご家族のみなさんにも、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
最後にサブタイトルにした、「演奏前の準備は大丈夫?」について。
子供達一人一人の出番にうまくセッティングできるよう、発表会までに足台や補助ペダル、椅子などの条件を細かく暗記していくことが、いつからか当たり前になっています。
身長が同じであっても脚や腕の長さ、座高など一人一人違うので、その子にとって一番弾きやすいセッティングをすることが大切だと思っています。曲によっても椅子の高さやピアノとの距離に工夫が必要な事があり、身体がまだ小さい子ほど、ほんの少しの差による影響が大きいと感じます。
この事にこだわりを持っているものの、出番ごとにセッティングを見直す為、できるだけスピーディに出来るように工夫をしていても、発表会の流れとしては演奏者と演奏者の「間」が、お客様に申し訳ないなぁと少し心配しています。
できるだけベストの演奏をしたい、と思って子供たちがステージに乗るので、私自身はやはりこの部分を簡易にすることはできないように思っています。
私のこのこだわり様を、生徒たちやご家族の方々は観て下さっていますが、さて普段ご自宅で練習されるときに、ピアノを弾く環境についてご本人さんやご家族の方に、どれだけ気にして頂けているのか、気になります。
兄弟姉妹で同じ高さの椅子を使いまわしていないでしょうか? 必要な台や補助ペダルを揃えておられるでしょうか? グランドとアップライトではペダルの遠さや高さが違うことに対応できておられるでしょうか?
キーとの距離や、演奏中の良い姿勢が作れるか、重心が足に乗っているか等 大切なことを気にしていただくためには、まず演奏できる環境をうまく整える必要があります。
子供の成長は早いです。たとえ高学年になり身長が止まった場合も、体型が変わってくることもあります。演奏する曲にあわせてという事もとても大事です。半年や一年に一度見直すのではなく、いつも気にしていただきたいと思います。