第14回ピアノ発表会 総評
サブタイトル:「歌うということ 」
第14回ピアノ発表会のプログラム&演奏(抜粋)はもこちらから。
すっかり3部制で発表会を行うことが定着してきましたが、今回は人数が多かったためか、1部ずつの時間が少し膨れてしまい、予想通り長丁場の発表会となってしまいました。小さい子も多かったので長い時間になり申し訳なかったです。
お客様も多めで、客席の少しずつのざわつきも、束になると気になることもありましたが、その中でも集中して弾くことができる生徒たちを頼もしく思い、また生徒たちについては「聴くマナー」が向上したと感じられる発表会となりました。
遅れを最小限にするために、毎回綿密に時間の計画を立てますが、ほぼその通りに進行できたのは、出張レッスンでお世話になっている先生や、普段調律でお世話になっているMさんに、袖でのお仕事やステージセッティング等沢山お手伝いいただいたからです。
本当にありがとうございました。
人数が多いということは、連弾やアンサンブルも史上最多、リハーサルも時間内に終われるか不安になりましたが、発表会ではソロ演奏以外に普段できないことに挑戦していただきたいといつも思っているので、多くの子供たちに経験してもらえたことが良かったと思います。
準備も大変でしたが、結果的に発表会が華やかになりました!
毎年マイナスワンは同じ音響さんに当たらず、はじめての方とのお仕事になるのですが、しっかり申し送りをしていただいているのか、丁寧にお仕事をしてくださった印象です。
もしピアノ指導者になっていなかったら…と今頃言っても仕方ないですが、学生の頃は舞台音響の技術を学びたい、そういうお仕事もいいなぁと思ったことがありました。ホールを利用するたびに、専門職として究めておられる方々を素敵に思います。
今年も年中さんから大学受験生、OBの高校生まで、幅広い年齢の子が出演しました。下の学年の子にとっては、上級のお姉さんお兄さんがたの演奏は憧れであり、自分の演奏の他に発表会の思い出として、くっきりと「弾きたい曲」の記憶となることもあるようです。
また大きい子たちが、ピアノを弾きたいというまっすぐな思いが表情に出ている小さい子の演奏に聴き入ってくれる姿も、なかなかいいものです。そうやって皆が刺激しあって、良い影響を与え合っているような雰囲気が、いま教室の中にあることを、とても嬉しく思う発表会でもありました。
選曲も含め、みなさんの色々な面を引き出せる発表会、続けていきたいなと強く思います。
最後にサブタイトルにした、「歌うということ」について。
前回のこの欄に、読譜から沢山の事を得られるようになると素敵だと書きました。読み取ったことと持っている知識をあわせて、新曲を弾き始めて間もないけれど、音楽的にもうかなり素敵に弾けるんだ、という子が増えてきているように思います。
生徒の新しい曲への取り組み方が、ピアノを学びだしての経過年数とともに良くなっていると実感できたとき、私自身とても嬉しくなります。
その状態からさらに表情のあるメロディにしていくことが難しそうな子たちもいます。歌う気満々で弾いているけれど、思うように演奏に反映されない、何故!?と。
気持ちだけではなく、自分の弾いているピアノから「歌っているように聴こえる」ように音が出ているか。これが出来てはじめて、聴く人によく伝わる音楽となるのですが、なかなかこの目線をもって弾くことは難しい。
難しいけれど、自分の耳でよく聴いて、これでよいかな?といつもこだわって練習してほしいなと思っています。
そして、自分の手や身体をこう動かした時に、こんな音が出せるという経験を積んでいただいて、脱力を含め手や身体の使い方からしっかり覚えてほしいなぁと思っています。
楽器=ホールで弾くグランドピアノの特性を良く知って、扱いが上手になることも「歌う」ということへの大事なポイントですね。
実際に声に出して歌うときに、とてもよく表情がついている時も多いです。そこにヒントを得て同じように弾けるかどうか、という目線もよいと思います。歌いながら弾く練習には、リズムが活きるように弾くためのヒントや、フレージングのヒントが沢山あって、小さい子にも効果覿面!を日々指導で感じています。